埼玉県の狭山市で塗装業を30年以上続けてきました。そんな私が独断と偏見で「私の親戚や友人が塗装業者を選ぶ際のアドバイス」を文章にしてみました。
実際に遠方の友人に相談された際に答えた内容を思い出しながら書いています。
塗装に関して知識のない人が、どうやったらダマされずに良い業者を選ぶことができるか?
多くの方の参考になれば幸いです。
手を抜きやすい塗装工事の実情
まず「塗装工事というのは手を抜きやすい」ということを理解してください。
手を抜きやすいということは、お客さんに手を抜いたことがバレにくいということです。
どうせ分かりゃしないんだから・・・と職人がなりやすいということです。
お客さんにバレにくい手抜き工事
- 塗装する回数を減らす
- 塗料を薄める
- 塗料を約束とは違うものを使う
- マスキングを雑にする
- 下地処理を雑にする
- 高圧洗浄をやらないor雑にやる
この辺はずっと現場を眺めていないと手抜きを見つけることはできませんよね。
工事が完了してから素人が眺めても、よく分かりません。
結果が出るのは5年〜10年後です。
すぐにバレない手抜き以外にも手を抜くところはあります。
雑な業者はトラブルにもつながって、お客さんが嫌な思いをすることにもなるので、十分注意が必要です。
トラブルにつながる手抜き
- 近隣へのあいさつをしない
- 勝手に隣の家に入り込む
- 足場を組む時に雑な業者を使って隣の家やブロック塀を壊す
上記のことをないがしろにをする業者は絶対に避けるべきです。
必要最低限のことができていないので、まずトラブルになることは目に見えています。
最悪な詐欺業者がやる工事
- 壊れていないところを勝手にぶっ壊して請求する
もうこれは手を抜くとかいう次元ではありませんね。
屋根や外壁に登っている時ですからずっと見ているわけにはいきません。
しかし、壊すという行為は一瞬でできます。
塗装業者を選ぶ基準
こんなひどい業者にとってはやり放題な工事なので、金額の前に最低基準をクリアしている業者であることを確認しましょう。
そのための基準みたいなものを書いてみたいと思います。
まず、飛び込み営業の業者ではないという前提です。
「近所で工事している」とか「屋根が壊れている」と言って、訪問営業してくる業者は絶対にやめた方が良いです。
それ以外の基準として
- 近くに事業所がある業者
- 約束ごとは書面にしてくれる業者
- 人柄が良い
1番難しいのが「人柄が良い」ですね。
詐欺業者が得意なのはこの部分ですから。
「人柄が良い」ここだけで判断してしまうと引っかかりやすいわけです。
人柄が信用できないのは論外ですが、信頼できそうだからといって、そこだけで判断するのもダメということですね。
塗装業者の選び方
色々と書いてきましたが、ではどうやって業者を選んだら良いかについて書いていきたいと思います。
分かりやすく1〜3のステップにして説明していきます。
1.3社から見積をとる
まずどんな3社に見積を依頼するかです。
家の敷地内に入らせる業者なので、適当な業者では困ります。
屋根に登る場合は尚更注意しなければなりません。
インターネットで検索して同じ市内か、近隣の市町村にある塗装業社から3社選んで見積の依頼をしましょう。
その際に「3社から見積を取るつもりです」ということを伝えてください。
そこで嫌な反応をする業者は排除しましょう。依頼する前に見分けることができてラッキーだったと思ってください。
1社目に見積に来た業者に聞かれた条件をメモしておいてください。
2社目以降にきた業者へも同じ条件を伝えるようにします。
2.見積を比較する
出てきた見積を見比べてください。
営業マンが口頭で伝えたことは排除して、見積書の内容だけで見比べましょう。
もしも営業マンが口頭で伝えた内容で、重要な内容があれば、必ず書面にしてくれと伝えます。
いろいろな条件がついてくると思いますので、そこまでしっかりと見比べましょう。
金額以外の部分をしっかり理解した上で、金額を見比べてください。
工事内容が違えば、安い見積もりになるのは当たり前です。
それを理解した上で、金額を見比べましょう。
3.最終的な判断
どの業者を選ぶのかは総合的に判断する必要がありますね。
ここまでの手順を踏んできた方であれば、金額だけで見比べた場合よりも、良い業者を選ぶ確率はぐんと高くなっているハズです。
自分が良いと思う業者さんに決めて良いと思います。
最後に絶対ダメな業者だけ確認
しつこいようですが絶対に選んではいけない業者だけ念を押しておきます。
「今近くで工事している」とか「屋根が壊れているのが見えた」と言って訪問営業してくる業者だけは絶対に話をしないこと。
詐欺の業者は善意に漬け込むのが上手です。
相手に失礼だと思って、話をしてしまうと断ることが難しくなるように会話をしてきます。
このような訪問営業が来たら、まともに話をしないで「ウチは結構です」ときっぱりと断るようにしてください!